第13回年次大会概要(最終報) (2014年)

最終報:更新内容

発表プログラムを追加しました。
・主催、後援を追加しました。
・オープンフォーラムを追加しました。
・パネルディスカッション1を更新しました。
・パネルディスカッション2を更新しました。
・プレコンファレンスを更新しました。

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日 時:2014年11月8日(土)・11月9日(日)
場 所: コラッセふくしま(福島県福島市)福島県福島市三河南町1番20号
JR福島駅(東北新幹線、東北本線、奥羽本線)西口より徒歩3分
主 催:多文化関係学会、福島大学
プレコンファレンス: 2014年11月7日(金)
テーマ:『他者』に対する社会的排除と差別:少数派の視点から考えるアカデミアとメディアの役割と責任
Social exclusion and discrimination of ”the other” in Japanese society: The roles and responsibilities of academia and media seen from the perspectives of minorities
主 催:多文化関係学会、福島大学
後 援:公益財団法人福島県国際交流協会(FIA)

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1. 学会開催中の宿泊に関して

年次大会が行われる11月8日、9日の両日には、福島競馬と東日本女子駅伝が開催されています。そのため、学会会場近くの宿泊がとても難しい状況です。

現在までに学会用として確保できたホテルがあります。
各自、下記のリンクから、ご確認・ご予約ください。また、予約ページへアクセスする際にパスワードが求められますので、下記のものをご使用ください。

■パスワード:tabunka
■ 多文化関係学会 年次大会専用ホテル予約はこちらから

2.年次大会ポスター

年次大会のコンセプトや日程をまとめたポスターが完成しました。
下記のアドレスからご覧下さい。
http://t-konno.net/download/2014A4Flyer.pdf

3. 大会ボランティアについて

今回は、福島での開催ということで、これまでのような開催校(大学)でのアルバイト確保ができない状況にあります。そこでボランティアを募集しております。その内容は、受付・案内・会場補佐などです。ボランティアをしていただける学生会員の方には、参加費・懇親会費を無料、また、一般会員の方には、懇親会費のみ無料とさせていただきます。

若手の方にとっては、大会委員として履歴書にも書けますので、是非ご協力いただければ幸いです。ボランティアをしていただける方は、jsmr2014fukushima@gmail.com までご連絡ください。

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1日目 11月8日 (土)
09:30-10:00 受付
10:00-11:05 研究発表1
11:15-12:20 研究発表2
12:20-13:20 休憩
13:20-15:20 パネルディスカッション1
15:30-17:00 オープンフォーラム
17:10-18:00 ポスターセッション
18:05-20:35 懇親会

2日目 11月9日(日)
09:30-10:00 受付
10:00-11:05 研究発表3
11:10-11:40 総会
11:40-12:40 休憩
12:40-13:00 *NPOビデオレター公開
13:00-14:00 基調講演
14:15-16:15 パネルディスカッション2
16:15-16:30 閉会の挨拶
*多文化関係、復興支援関係の情報をお伝えします。

基調講演  2014年11月9日(日)13:00-14:00
「異文化間哲学における他者理解の課題 (要旨)
―歴史と文化のハイブリッド化現象と境界をめぐって―」

牧野英二氏(法政大学文学部教授)
略歴紹介;専門領域は、近代及び現代哲学、倫理学、美学、感性学、精神史の研究。特にカント、ディルタイ、ハイデガー等ドイツ哲学や哲学的解釈学、アーレントの政治哲学、英米系の判断力論、和辻哲郎の倫理学、三木清の歴史哲学・構想力論、笑いや驚異など感情の感性工学的分析、サステイナビリティ・フィロソフィー他。主なる研究業績は、(以下すべて単著)『カント純粋理性批判の研究』(法政大学出版局、1989年)。『遠近法主義の哲学』(弘文堂、1996年)。『カントを読む-ポストモダニズム以降の批判哲学』(岩波書店、2001年。韓国語訳2009)。『崇高の哲学‐情感豊かな理性の構築に向けて』(法政大学出版局、2007年)。『増補・和辻哲郎の書き込みを見よ!和辻倫理学の今日的意義』(法政大学出版局、2010年)。『「持続可能性の哲学」への道』(法政大学出版局、2013年)。学会活動は、日本カント協会会長、日本ディルタイ協会会長など。2011年5月から始まった「てつがくカフェ@福島」の世話役。

講演概要;本講演の目的は、「異文化間哲学」「相互文化哲学」(intercultural philosophy)の立場から、今日顕著な差別・偏見・格差や排除の論理とその解決の手がかりを提示することにある。日本社会は、政治・経済・金融等だけでなく、文化や科学技術のあり方も危機的状況にある。東日本大震災の被災地では、日本の伝統文化が破壊され、在日外国人にも被害を与えた。その後、生活の場で格差が拡大し、ヘイトスピーチ等の民族差別や排除、ヘイトスピーチとナチス・ドイツの礼賛運動との結びつき、ブラック企業による雇用差別や被災地での新たな差別や偏見が顕在化した。STAP細胞ねつ造問題も、自然科学偏重・人文社会科学軽視に由来する「ハイプ」(Hype)の一例である。今日、心の歪みと社会の歪みは顕著である。学問研究や大学教育の現場でも、その例外ではない。コストという物差しによる「境界」設定がはびこり、他者の排除の論理も激化している。これらはすべて、暴力性の現れである。同じことは国際関係でも生じている。こうした理由から筆者は、今回の大震災・原発事故以降、日本社会が近代以来最大の危機に直面している、と考えている。
筆者は、上記の問題意識に即して、広義の「他者」の理解と差別や排除をめぐる課題解決の方向性を考えてみたい。この問題は、「境界」設定と異質な他者の自己への同一化という暴力とも不可分である。国家による「境界線」の設定は、同じ人間を国家の成員とし、他の人間を「外国人」、「在日」として差別や排除の対象としてきた。38度線による同一民族の分断という悲劇や「領土問題」、そして原発の避難区域における「居住制限区域」等の指定と補償金額の格差は、いまも続く歴史的実例である。非人間的で反倫理的な排除や差別は、なぜなくならないのか。これらの疑問は、自己と異なる他者の歴史的生の体験とその表現の理解はどのようにして可能か、という困難な問題の解決を迫っている。この課題には、自己と他者のコミュニケーションや表現行為の暴力性、言語の隠蔽機能、表現の翻訳(通約可能性)の困難さが結びついている。同じ地球上に生きる人間が、複雑な歴史的・社会的経緯の中で多様な文化や言語を作り上げ、相互の理解の困難さとその克服の努力が複雑に縺れている多文化社会の中で、これらの課題にどう取り組むべきか。
筆者は、この課題解決のために第一に、日本社会における歴史と文化の錯綜した現状を「歴史と文化のハイブリッド化」として解釈する。第二に、この錯綜した状況を的確に把握するために必要な問題解決の手がかりを提示する。その際、多数者による少数者への暴力、強者による弱者への構造的な暴力とともに加害性と被害性との「パラドクス」も見逃してはならない。第三に、日本社会の画一化・全体化と一見矛盾するエゴと孤立、他方で内実の欠けた「共生」や「連帯」の陥穽に陥らないことが肝要である。これらは、同型性や画一性を求め、異質な他者、自己と異なる感じ方・考え方、自他は交換不可能である事実等を理解できない点に共通の根がある。そこで、これらの問題に直面したハンナ・アーレント(Hannah Arendt)が用いた「ひとりぼっち」(loneliness)、「見捨てられていること」(Verlassenheit)ないし「孤立」(isolation)と「孤独」(solitude)との区別を手がかりにして、日本社会、特に福島県民の状況、および国際社会、最近緊張を増してきた東アジアにおける日本の歴史と文化のゆくえを展望してみたい。

 

パネルディスカッション 1 11月8日(土)13:20-15:20
「マイノリティと災害エフエム」

1995年に発生した阪神淡路大震災の際、神戸市長田区にあった「カトリックたかとり教会」に「たかとり救援基地」ができ、それが後の「たかとりコミュニティセンター」になった。そこでFMラジオというメディアを使ったマイノリティ支援とエンパワーメントの活動が始まった。それが「FMわぃわぃ」の始まりである。
2011年に発生した東日本大震災では、30局の「FMラジオ」局が「災害エフエム」として設立され、FMわぃわぃは阪神淡路大震災以降に培った経験と知見を活かして「災害エフエム」の支援に取り組んだ。現在でも10局が放送を続けており、被災地のコミュニティ再生やマイノリティのエンパワーメントなどに大きな働きをしている。このパネルディスカッションでは、マイノリティのエンパワーメントにつながるFMラジオの活動と災害時のメディアの役割について議論する。

パネラー(ファシリテーター:吉富志津代)
○吉富志津代(大阪大学グローバルコラボレーションセンター):専門は国際協力政策、公共政策。たかとりコミュニティセンター常務理事でもあり、FMわぃわぃの立ち上げから、神戸をはじめとする外国人住民のサポートやエンパワーメントの活動を支援し、大学でもその知見を教育に生かしながらグローバル人材育成に取り組んでいる。著書には『グローバル社会のコミュニティ防災 多文化共生の先に』(大阪大学出版会)など多数。
○日比野純一(FMわぃわぃ代表理事):阪神淡路大震災をきっかけにFMわぃわぃの立ち上げに参加し、東日本大震災の被災地でもさいがいラジオ局の立ち上げやその後のサポートを行っている。また、海外でもコミュニティラジオを活用した被災地支援活動を展開している。共著に『小さなラジオ局とコミュニティの再生: 3.11から962日の記録』(大隅書店)など。
○吉田恵子(富岡町社会福祉協議会職員、富岡町生活復興支援「おだがいさまセンター」、おだがいさまFMラジオ):大規模避難所となった「ビッグパレットふくしま」での支援活動からさいがいラジオ「おだがいさまラジオ」を立ち上げ運営している。
○伊藤チャリト(バヤニハン気仙沼ラジオ):国際結婚し日本に在住するフィリピン人で、FMラジオによるさいがい支援とエンパワーメントの活動をしている。
コーディネータ: 中川慎二(関西学院大学)

 

オープンフォーラム  11月8日(土)15:30-17:00
福島で生活するとは?

話題提供者:田村奈保子(福島大学行政政策学類教授)
ファシリテーター:小野原雅夫(福島大学人間発達文化学類教授)

震災後、外部から投げかけられた言葉に強く反応した経験をきっかけに、大学教員・研究者であると同時に一生活者でもある立場から、福島で生活することについて感じ考えたことを、話題として提供する。本オープンフォーラムでは「哲学カフェ」を紹介する。「哲学カフェ」とは、専門知識を持たない一般市民が集い、様々な哲学的・倫理学的テーマについて互いに対等な立場で、できるかぎり専門用語を用いずにそれぞれの思いや考えをぶつけ合い深めていく、哲学的対話の場のことである。福島では2011年の5月以来、毎月1回のペースで「てつがくカフェ@ふくしま」が開催されている。今回は、未曾有の大震災・原発事故を被り放射線被害や風評被害に苦しめられながら、さらに社会的排除や差別まで経験している福島に暮らす一般市民の方々と多文化関係学会会員とで、「今、福島で生活するとはいかなることか?」についてともに考え合い語り合っていきたい。議論の皮切りとして、福島大学行政政策学類の田村奈保子教員より、震災後、外部から投げかけられた言葉に強く反応した経験をきっかけに、大学 教員・研究者であると同時に一生活者でもある立場から、福島で生活することについて感じ考えたことを話題提供する。それを承けてフロアの皆さまと様々な経験や学びや思考を共有したい。

 

パネルディスカッション2  11月9日(日)14:15-16:15
「排除の構造と私たちの役割 -被災地とヘイトスピーチ-」

メインパネリスト:
辛 (しん) 淑玉 (すご)(実業家)プロフィール:在日三世。人材育成コンサルタント。TRAI(Trans-pacific Research and Action Institute for the hisabetu-nikkei)東京代表。人材育成技術研究所所長。 企業内研修、インストラクターの養成 などを行うかたわら、テレビ出演、執筆、 講演も多数こなす。2003年に第15回多 田謡子反権力人権賞受賞。著書に、『怒りの方法』『悪あがきのすすめ』(とも に岩波新書)、『差別と日本人』(角 川テーマ21)、『大人の女の流儀』(PHP研究所)など多数。

五味洋治(東京新聞記者)1983年東京新聞(中日新聞東京本社)入社。川崎支局、社会部、政治部(官邸、野党担当)を経て1997年、韓国延世大学語学留学。1999年~2002年ソウル支局、2003~2006年中国総局勤務。2008~2009年、フラブライトフェローとして米・ジョージタウン大学在籍。主に北朝鮮問題を取材。現在東京新聞本社外報部勤務。著書に『あなたはなぜウリナラ(韓国)に来たんですか』(エクスナレッジ)、『父・金正日と私 金正男独占告白』文藝春秋、『オトす力 ~金正男の心を開かせた新聞記者の「知的仕事術」~』(ワニブックスPLUS新書)、『北朝鮮と中国: 打算でつながる同盟国は衝突するか』(ちくま新書)

コメンテーター:牧野英二(法政大学文学部教授)
コーディネータ:李 (りー) 洙任 (すーいむ)(龍谷大学)

 

プレコンファレンス  2014年11月7日(金)14:0017:00
<東日本大震災 被災地を訪ねるフィールドワーク>
「震災、津波、原発事故 ―ふるさと回帰と菜の花プロジェクト―」

福島県南相馬市観光ボランティアガイドとして語り部活動をする安部あきこさんと共に、地震と津波の後の南相馬市を訪ね、被災地に暮らす方の声に耳を傾けます。
東日本大震災の後、しばらくは被災したふるさとを語ることができずにいた安部さんも、いまは震災、津波、原発のことを語り継いでいくことの意味を見出し、ふるさと回帰の活動をしておられます。また、観光ボランティアガイドとして語り部の活動をする一方で、南相馬市ふるさと回帰支援センターの企画部長として菜の花プロジェクトを推進する役割もしておられます。
今回の南相馬市でのフィールドワークは貸切バスで被災地を回る3時間のフィールドワークです。13:50に「道の駅南相馬」に集合し、14:00にバスで出発します。フィールドワークの前に、「映像とトーク」のセッションを安部あきこさんと一緒に行います(道の駅ホール、12:20-12:55)。
参加者への交通の便を図るために、バスをチャーターしました。JR仙台駅西口駐車場で10:00に集合、10:15に出発し、道の駅南相馬(原町)に向かいます。14:00からフィールド・ワーク(南相馬市)に出かけ、道の駅南相馬には17:00に戻ります。休憩と自由時間の後、バスはJR福島駅まで参ります。(19:30到着予定)

ただし、13:30に現地集合し、南相馬市でのフィールドワークのみの参加も可能です。

10:00       集合:JR仙台駅西口駐車場
(チャーターバスで仙台から南相馬市に向かう方)
10:15 - 12:15  JR仙台駅から道の駅南相馬へ移動
12:20 - 12:55 「安部さんと<菜の花トーク>」道の駅南相馬ホール
(仙台からのチャーターバスが到着次第開始)
13:00 - 13:50 食事(弁当)、道の駅にレストランがあります
13:50      集合:道の駅駐車場
*福島市などから原町駅まで路線バス[1300円]で来られた方は、個別にタクシー等で道の駅まで移動してください。

14:00 - 17:00 南相馬市フィールドトリップ(集合次第出発)
17:00 - 17:15 休憩(道の駅)
17:30 - 19:30 道の駅からJR福島へ移動(福島駅西口バスロータリー)

 

【参加費】

*(全行程参加)JR仙台駅発―JR福島駅着:5,000円(昼食弁当代1,000円を含む)
*途中参加の場合は下記の料金がかかります。
・往路(チャーターバス):1,000円
・プレコンファレンス:参加費2,500円、弁当代1,000円(要予約)
・復路(チャーターバス):1,000円
*チャーターバス(大型バス)利用の最少催行人数は20名です。
*参加者が20名を下回る場合は、マイクロバスないしタクシーを共同利用して、同じ行程でフィールドに出かけます。
コーディネータ:中川慎二(関西学院大学)

大会参加の方法

申し込み要領: 大会参加のページから申し込んでください。

大会参加費 (事前申し込みは1,000円割引)
5,000円(正会員・当日払い)
3,000円(学生会員・当日払い)
6,000円(非会員一般・当日払い)
4,000円(非会員学生・当日払い)
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1,000円(青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県在住・非会員二日間で1,000円)
(上記地域在住・学生は無料)
福島大学関係者(学生も含む)無料

懇親会は、大会会場「コラッセふくしま」内の「展望レストランKi-ichigo」にて開催予定。
懇親会参加費 (事前申し込み500円割引)
5,500円(正会員・当日払い)
4,000円(学生会員・当日払い)
6,000円(非会員一般・当日払い)
4,500円(非会員学生・当日払い)

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大会運営世話役 【アイウエオ順】

石黒 武人 明海大学
小田 眞幸 玉川大学
河野 康成 立教大学リーダーシップ研究所
小坂 貴志 神田外語大学
今野 貴之 明星大学
中川 慎二 関西学院大学
李 洙任  龍谷大学

今回の大会開催運営の方法は、従来の大会開催校が運営主体になる方法と異なり、まず開催地を決定し、大会開催に関わるマネージメントをシステム化しています。上記の世話役7人が中心になりますが、会員が主体的に関わることができる運営方法を考えます。会員の中から新企画やボランティアを募集しています。ご関心のある人は、メールでご連絡をお願いします( jsmr2014fukushima@gmail.com )。掲載情報に若干の変更があるかもしれないことをご了承ください。