中部・関西地区研究会のご案内

日時:2020年9月10日(木)13:30~15:30 (Zoomオンライン開催)
参加費:無料(要事前申し込み)
参加申し込み:https://forms.gle/v8Dycy4HwruKTzcu7

【タイトル】「質的データ分析ワークショップ~M-GTAにおける談話分析の援用~」
【話題提供者】石黒武人(武蔵野大学グローバル学部准教授)

【発表要旨】近年、質的研究のデータ分析において様々な領域横断的な試みが行われ、成果を挙げています。そうした潮流を反映する形で、本発表は、社会(福祉)学的研究で主に使われ、その汎用性を高めている修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)に着目し、M-GTAに談話分析の分析概念(e.g., フレーム、フィッティング)を援用することで、質的インタビューのデータ分析を精緻化する試みの一つを紹介するものです。
具体的には、インタビューで「語られたこと」を整理する言及指示的側面に焦点を当てた分析から、インタビューという相互行為において指標される社会関係、文化、アイデンティティ、すなわち、社会指標的側面の分析に重点をシフトしたアプローチを示し、データ分析をより精緻で立体的なものとし、「厚い記述」へ近接する試みです。
データとして、多国籍のメンバーが所属し、多文化が交錯する国内の組織で働く日本人リーダーに対するインタビュー・データを用い、談話分析の概念を用いずに行う分析と用いた分析とで何が変わるのかを例示します。さらに、短い時間ではありますが、参加者と発表者で実際にデータの分析に取り組み、論理整合的に他領域の分析概念を導入、援用する利点や難点について議論します。
さらに、質的データ分析全般についても意見を交換する予定です。なお、本ワークショップは、多文化関係学会・九州地区研究会(2017年3月)、「言語と人間」研究会・例会(同年11月)、SIETAR Japan・例会(2019年6月)にて提示した内容を修正、 発展させたものです。インタビューを用いた質的調査を行いたい方々にとって示唆的な内容となれば幸いです。大学院生の方々も歓迎です。

【発表者略歴】専門:異文化コミュニケーション学。組織ディスコース研究。M.A. (International Studies, University of Oregon)、修士(異文化コミュニケーション、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科)、博士(異文化コミュニケーション学、同研究科)。ライフストーリー・インタビュー、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ、談話分析などの質的研究法を研究目的に応じて用い、様々な研究を行っている。論文に「国内で活動する多文化研究チームにおける日本人リーダーの認知的志向性とその動態:修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによるモデルの構築」(『多文化関係学』14号, 41-47)、「異文化間の関係構築におけるトランスカルチュラル・アイデンティティの表出構造:映画『グラン・トリノ』において観察されるアイデンティティ・ワークの談話分析」(『異文化コミュニケーション』18号, pp. 15-34.)、著書に『多文化組織の日本人リーダー像:ライフストーリー・インタビューからのアプローチ』(春風社、日本図書館協会推薦図書)、「多国籍チームにみる組織内コミュニケーション:差異とアイデンティティ」池田理知子・塙幸枝(編著)『グローバル社会における異文化コミュニケーション』(pp. 110-119)(三修社)、『多文化チームと日本人リーダーの動的思考プロセス:グラウンデッド・セオリーのからのアプローチ』(春風社)などがある。

【問い合わせ先】
宇治谷映子(中部・関西地区研究会委員長、名古屋外国語大学英米語学科)
メール:ujitani@nufs.ac.jp



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